【内容紹介】
1993年に放送され、話題になった「究極の愛の物語」が新たなキャストで復活。
私立の女子高校に通う雛(上戸彩)は、遊びなれた親友の紅子(ソニン)と繁華街に繰り出した。ほどなくささいなことでけんか別れして、何気なく入ったゲームセンターで雛は郁巳(藤木直人)と出会う。その夜は彼の部屋で一晩を過ごすのだが…。
10 年前の舞台である女子高も、純愛のテーマもまったく同じだが、「続」でも「パート2」でもない、新たなる『高校教師』。これぞ野島伸司節ともいうべき、ひたすらに美しく語られるモノローグとレトリックを駆使したダイアローグの言い回しは健在。主役のキャストは藤木直人と上戸彩に代わっているが、京本政樹が唯一、ドラマのキーパーソンである藤村先生役を再び演じているところがミソ。その妖艶なる名演は、ドラマのインパクトを一手に引き受けている。
【カスタマーレビュー】
一緒に死んでくれる? ああ、いいよ。
野島伸司さんの書く本は内容が重たくてあまり好きではないのだけれどいつも必ずはまってしまう。このドラマも死、愛、依存と結構テーマは重たくて。でも藤木君のかっこよさと彩ちゃんのかわいらしさそれに何と言っても伴う演技力に救われて最後まで見入ってしまいました。8話での雛と郁巳の会話「一緒に死んでくれる?」「え・・。」「一人じゃ怖いからって言ったら、そうしてくれる?」「ああ。いいよ」「バカ。そんなこと言っちゃダメだよ。信じちゃうんだから。先生の言うことは信じちゃうんだから」「ああ」そして郁巳が言います「ごめんよ」この時の藤木君の表情とても好きです。是非見てください、10年前とは違う高校教師を。
真田・桜井版に決して劣っていないと思います
10年前の『高校教師』に比べると不出来だという方が多いですが、私は今回のほうが好きです。前作は近親相姦、レイプ、同性愛といった衝撃的な内容でしたが、今回のテーマは「依存」。前作との共通点はあくまで舞台が十年後というだけで、続編でもパート2でもない新しい『高校教師』として観れば、決して不出来ではないはず。
93 年版も素晴らしいですが、個人的には何度観ても、キャラクターが根本的なところで出来事に振り回されている感が否めないのですが、今回はメインから脇まで、どのキャラクターも深く掘り下げられていたと思います。その意味で、たとえ嘘の世界の中で孤立した二人でも、お互いを見つめ続けた03年版の郁巳と雛の関係のほうが、前作の繭と羽村より本物に見えました。嘘が暴かれた後の残り少ない時間の中で、残酷な現実を受け入れ、なおお互いを思い合う姿は、野島作品の醍醐味である“透明感”そのもの。藤木直人さんと上戸彩さんの演技も、『高校教師』の世界にマッチしていたと思います。
ただ、初回の裏で話題の映画が放送していたり、同クールに同じく死を扱った素晴らしいドラマがあったり、タイミングに本当に恵まれなかったのが残念です。「依存」という、テーマの時点から前作のような衝撃がなかった今作は、『高校教師』のタイトルを背負うのにかなり不利だったでしょう。ですが、ひとつのドラマとして、完成度はかなり高いと思います。